生育レポート27:ほうれん草
今シーズンのほうれん草の収穫・製造が間もなく終了となります。
残念ながら今シーズンも予定数量を確保することができず、
製品数量で計画の70%弱程度になってしまう見込みです。
原因としては、播種期の9月に雨が多く、播種作業が遅れてしまったこと。
また、9月は記録的な日照不足もあり播種後の発芽・生育も遅れました。
10月中旬から天候は回復し、生育が進むことを期待しましたが、
11月中旬の段階で生育は1週間程度遅れたままで、
11月24日には平年になく早い降雪がありました。
うっすらと積もった程度で、直後には影響がないように見えましたが、
結局生育が更に遅れる要因となってしまいました。
厳しい結果ですが、収穫できるほうれん草が少量残っています。
以下↓の画像は収穫中の圃場です。
病気等なくサイズも十分で品質のよいほうれん草です。
弊社の原料ほうれん草の収穫方法は、
下↓の画像のように、地上から5cm程度までの茎を残して刈り取ります。
生鮮流通のほうれん草は、株ごと引き抜いてから根を切除しますが、
弊社の脱水ほうれん草用の原料収穫はこのような方法で行い、
異物が多い株間を圃場に残します。
収穫したほうれん草は上↑の画像のように専用コンテナに入れます。
実は、ほうれん草が残っている圃場はまだあるのですが、
収穫前に「とう(薹)立ち」、または、「抽苔(ちゅうたい)」 という
花が咲く状態になってしまい、収穫できなくなってしまいました。
ほうれん草の花を見たことがある方は少ないと思います。
下↓の画像がとう立ちして咲いているほうれん草の花です。
このように花が咲いてしまうと、食味が落ちてしまい収穫できません。
上↑の画像のほうれん草は3月上旬に播種したものですが、
このとう立ちはここ数年の課題となっています。
とう立ちが起きる前に全量を収穫できるよう、
改善策を検討していきたいと思います。
今期の収穫・製造は間もなく終了となりますが、
来期の播種も4ヶ月後(9月)には始まります。
天候不順など対応策のない要因もありますが、
とう立ちや病害虫などの改善策を検討しながら、
生産者さんと来期の計画についての打合せが今月から始まります。
来期は十分な量の収穫・製造ができるよう
頑張りたいと思います。